第87章

晴人はどう思うだろうか。

浅野家の両親はどう思うだろう。薇薇はどう思うだろう。

美月の息子は出来損ないじゃなかった。浅野家の長孫がこんなにも優秀だったなんて、と口にするに違いない。

もしかすると……ずっと彼女を誤解していた、とまで言うかもしれない。

香織の指が再びきつく食い込む。痛みに耐えきれず、陽菜は小さく「痛っ」と声を漏らした。

香織は娘を見下ろし、ふつふつと怒りが込み上げてきた。

ふがいない子!

娘は歌い終えたばかりで、拍手と称賛を浴びたとはいえ、晴太と比べればまさに雲泥の差だった。

美月の息子は天才だ。

それに引き換え、自分の娘は取るに足らない。

香織の胸の奥で、...

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