第89章

車がハイウェイを走り出してから、ずいぶんと時間が経っていた。

美月はふと重要なことに気づき、和也の方へ振り向くと、少し緊張した面持ちで尋ねた。

「あの、私たちはいま、スミス教授に会いに行くところですか?」

和也からは車に乗るよう言われただけで、行き先は聞かされていなかったのだ。

『スミス教授』という言葉を耳にした晴太は、ぱっと顔を上げた。背筋を伸ばし、小さな両手をちょこんと膝の上に揃える。その真剣な表情は、まるで先生に名前を呼ばれるのを待っている生徒のようだった。

自分の病気を治してくれるお医者さんだということを、ママから聞いて知っているのだ。

和也が口を開きかけたその時、前の助...

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