第9章

その場は、異様な静寂に包まれた。

美月の目から涙がこぼれ落ちそうになる。だが、彼女はそれを必死に堪え、呑み込んだ。

晴人。

私たちの息子の誕生日パーティーなのよ。

どうしてこの女を連れてくるの……!

「誰の許可を得てここに来たのよ」

美月が動くより早く、亜紀が前に出た。

立ち上がり、香織のほうへ突っかかろうとする。

美月は咄嗟に彼女の腕を掴んだ。

「亜紀!」声を押し殺す。「今日は晴太の誕生日だから。もういいの」

亜紀は怒りで胸を上下させている。「あいつのあのふざけた顔、見てみなさいよ!」

「それに晴人も……」

「わかってる」美月は胸の奥が苦しくなるのを感じながら、親友...

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