12。サメの間を泳ぐ

ダコタ・ブラック

「昔、よく一緒にパーティして、酔っぱらって、バカなことしたよな? 俺は忘れてないぜ」

目の前に立つライアンは、いらつくようなドヤ顔を浮かべている。だが、その声には何か、もっと暗いものが隠されていた。

奴の薄笑いが広がり、さらに邪悪なものへと歪んでいくにつれて、俺の視線は鋭くなった。それはまるで、正体の掴めない脅威のようで、どうしようもなく神経を逆なでされる。

『一体、どういう意味だ?』

奴の言葉の意味を解読しようとするにつれ、心臓の鼓動が速くなる。もう五年も経つんだ、あいつが『あれ』を持っているはずがない、そうだろ?

ライアンは、恐怖の匂いを嗅ぎつけた捕食...

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