19。背が高くて、暗くてハンサム

エマラ・ストーン

私は広大な海の中、ご機嫌で泳いでいる。尾ひれを気だるげに左右に揺らしながら、自由を満喫し、マイペースに過ごしていた。

人魚でいるのも、いいことずくめだ。

この、いまいましい貝殻のビキニトップを除けば、だけど。胸からしょっちゅうずり落ちてくるせいで、心置きなく泳ぐのが難しい。

胸に叩きつけて、おっぱいにくっつけておこうとするんだけど、強い波と滑らかな水のせいで、すぐにぷかぷかと浮き上がろうとする。

『うぅっ! もう、ほんっとうにうっとうしい!』

どこからともなく、一人の男が水面に姿を現した。まるで夢に出てくるような水神様みたいに、幻想の中から抜け出してきたか...

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