49。マイ・ハート = 大丈夫ではない

ハグを促すように、私は両腕を広げた。

でも、部屋の向こう側に立っているのは、ただの男じゃない。最悪の姿をしたダコタだ。

『獣』。

そして今、彼はまさに獣じみていた。

顎は固く食いしばられ、その筋肉がぴくぴくと痙攣しているのが見える。拳は壁に穴を開けたい衝動を抑えつけるかのように固く握りしめられ、その瞳には荒れ狂う嵐が揺らめき、まっすぐに私を射抜いていた。

「こっちに来て」私はそっと囁く。まるで、仕留めたばかりの獲物の血を口から滴らせている野生動物に語りかけるように。

それでも、私は動かない。

恐怖で肋骨が震えているけれど、腕は広げたまま。まるで時限爆弾のような彼に近づきすぎるのが...

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