第111話

第111章:普通の気分

カミラ

「趣味は何かあるでしょう?他に何が好きなの?」グレゴリオが答える前に、少しの沈黙があった。

「まあ、仕事をしていない時や誰かと遊んでいない時は、読書が好きだね」

今まで考えたことはなかったけど、彼が本を持ち歩いているのを何度も見かけたことがある。そう、初めてここで寝た時の『殺人を見逃す方法』以外の本も。まったく、永遠に感じるけど、実際には一ヶ月もたっていないのよね。

「あなたたちふたりは?」私はドメニコとアドリアーノに尋ねた。

「もちろん、料理の才能以外でね」

こういった些細なことを知るのは、彼らを理解するほんの一部に過ぎないけれど、彼らが何年も一...

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