第169話

第169章:夜の死神

カミラ

誰もいない。もう二日間一人きりだ。母や継父の姿も見えないし、彼らの不在を説明する連絡もない。最初は安心したけど、今は怒りと不安が入り混じっている。空港に誰も迎えに来なかったときは驚いたけど、一時間後に冷たく空っぽの家に入ったとき、完全に一人ぼっちだと実感した。

彼らがいないことは祝福でもあり呪いでもあったけど、少なくとも誰かの目を気にせず落ち着いて精神的な障壁を乗り越える時間ができた。特に感謝したのは初めて自分の部屋に入ったとき。膝から崩れ落ちて、目が腫れ鼻が詰まるまで泣いた。今は二日が過ぎ、崩れることなくその重みに耐えられるようになった。

約束通り、毎日...

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