第5話

第五章：殺人

カミラ

銃弾が発射される音が聞こえ、私の胃がひっくり返りそうになった。そして無意識のうちに、背後で誰かが大きく息を飲む音が聞こえたが、私はその方向を見ることなく、目の前の残酷な光景を見つめていた。血が飛び散り、レンガの壁に付着し、今は亡くなった男の頭部から冷たい舗装の上に血溜まりができていた。

私は明らかにショック状態だったが、同時に、そうすべきなのかもしれないのに、彼に対して哀れみや悲しみを感じることができなかった。私はむしろ、マスクの男が躊躇なく簡単に人を殺せることに、すでに死んでいる男よりも驚いているのだと思う。

一人きりだということを思い出し、顔を上げると、鋭い灰色の目が私を見つめていて、心臓が文字通り一瞬止まった。なんてこと！先ほど聞こえた大きな息を飲む音が自分自身から出たものだと気づき、すでに手遅れだとわかっていても、私は手で口を覆った。四つの目が私を凝視し、その体は動かなかった。私は目の前の光景に夢中になりすぎて、他の人たちがまだそこにいることを忘れていたのだ。私の体は無意識のうちに、よく見えるように位置を変えていたに違いない。

一体どうやってこの状況から抜け出せばいいの？最初に動いたのは男の一人で、彼が私に向かって一歩踏み出すと、私の逃走本能が即座に働いた。私たちの間の距離をうまく利用して、彼が足を地面に下ろす前に、私はゴミ箱の後ろから飛び出して走り始めた。彼に追いつかれれば終わりだとわかっていたので、すでに胸に広がり始めていた焼けるような感覚を押し殺した。

小さな体が運べる限り全力で走り、唯一の安全への希望に向かって急いだ。そして一瞬、振り返ると、大きな人影が私の後ろに素早く近づいているのが見えた。助けを求めて叫びたかったが、体が物理的にそれを許さなかった。この瞬間、私にできることは走ることだけだった。ホテルのドアまであと少しだったが、マスクの男は私のすぐ後ろにいた。

もう少しで、安全の感覚を空気の中に感じることができそうだったが、首に突然手が伸び、私を引っ張り寄せられ、背中が彼の胸に押し付けられた瞬間、その希望は消えた。

彼の大きな手が私の肌に触れると、小さなすすり泣きが私の口から漏れた。彼は指が私の喉の横に沿って伸びるように、そして顎の端をなぞるように握り方を変えた。私は完全に恐怖で固まっていた。彼は獲物を捕まえ、最悪なことに、私の恐怖状態を楽しんでいるのが感じられた。私は手を上げて彼の手首をつかんだが、びくともしなかった。

「一体どこへ行くつもりだったんだ、お嬢さん？」彼の声は低く、かすれていて、私の耳元で、私が彼の手から逃れようとする努力を無視した。

私は彼の吐き出す息の温かさを感じ、それが首に置かれた氷のように冷たい手と対照的だった。それが私の背筋に震えを走らせ、腕の側面に鳥肌を立たせた。胸は上下し、心臓は拘束に対して激しく鼓動していた。彼は私を傷つけてはいなかったが、それでも私を彼に固定するには十分だった。

「小さな体のわりに、よく走るな」

私は彼に返事をする体力がないので、彼は独り言を続けている。

「さっき見たことは、お前が思っているようなことじゃない」

「本当？私には、あなたの友達が別の男の目の間に銃弾を撃ち込んだように見えましたけど」私はようやく声を出すことができた。

私の声に彼の体が硬直した。文字通り私の命を握っている相手に、特にあんな口調で一言も言わないと思っていたに違いない。でも、死ぬにしても戦わずに死ぬつもりはない。

「それなのに、お前は止めようとしなかったな」彼は反論した。

片手をまだ私の喉に置いたまま、もう一方の手を私の右脚の側面に沿って動かし、ポケットの位置まで下げた。彼はポケットに手を入れて何かを取り出した。見てはいなかったが、それが私の携帯電話だとわかっていた。

「私には完璧に機能している携帯電話に見えるけどな」彼はボタンを押し、私が壁紙にしているロビンと私の写真を表示させた。

もしここから無事に逃げられたら、それを変えるつもりだけど、彼の言葉については、その通りだった。私は止めるべきだとわかっていても何もしなかった。

「どうした？今は何も言うことがないのか？数秒前は、何も知らない状況を理解したふりをして、いろいろ言っていたのにな」

「何が足りないっていうの？」私は噛みついた。

「あなたの友達は誰かを殺したんです。それは否定できないでしょう」

「お前がそんなに早く擁護するその男は、誰かをレイプしようとしていたんだ。聖人のように言うな」

「彼を擁護してなんかいません。彼の意図が何だったかはよくわかっています。なぜ私があそこに戻ったと思うんですか？彼女を助けるつもりだったんです。でもあなたたちを見たから」私は今、怒りを感じている。

「それで、どうやって助けるつもりだったんだ？お前の身長は5フィートもないし、筋肉もない。まあ、速いのは認めるが、走るだけで誰かと戦うことはできないだろう」

この人は自分を何様だと思っているの？私は十分に自分の身を守ることができる。

「私にできることに驚くと思いますよ」私は脅すように言い放った。

「そうだな」彼が後ろで笑っているのが聞こえた。

「きっとそうだろうな」

くそったれ、彼は私がそういう意味で言ったんじゃないことをわかっている。私の耳に身を寄せ、彼の唇が私に軽く触れ、この状況を考えれば絶対に感じるべきではない感情を抱かせた。彼の唇が私の肌に触れると、私の秘部が震えたが、すぐに我に返った。

「でも、お前が見たものは変わらないぞ」彼はささやいた。

彼が私の携帯を後ろポケットに入れると、私は彼の手から逃れようと体をあらゆる方向に振り回し始めたが、その試みは成功しなかった。

「放してください！」私は彼と格闘しながら要求した。

なんてこと！誰か私を助けに来てくれないかしら？

助けが必要だ。