第146章 私に気があるのか

「へえ、妹、ねえ」

アンナは語尾を長く引き延ばした。明らかに信じていない様子だ。

西園寺静は眉間を揉んだ。

「こちらは妹の西園寺菊江だ。ここ数年は海外に留学していた」

アンナはそこでようやく納得した。

彼女は西園寺家を訪れた回数はそう多くないし、そもそもあの一族のことが好きではなかった。

だが、西園寺家にどのような人間がいるか程度は把握している。

これが、彼女と西園寺静の妹、西園寺菊江との初対面だった。

西園寺菊江は二十歳を過ぎたばかりだろうか。育ちの良さが滲み出ており、童顔で愛らしい笑みを浮かべている。一見すると、無邪気で人畜無害そのものだ。

「お兄ちゃん」

彼女は殊勝...

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