第17章 頼みがある

「相井新一は薬を取りに行った」

白石凛は小さく頷いた。

先ほど病室で起きた出来事が、奔流のように脳裏に蘇る。

視界が再び涙で滲み、ぼやけていった。

黒木蓮は何も言わず、白石凛の心が凪ぐのを静かに待った。

彼女の華奢な肩を抱き寄せようと手を伸ばしかけたが、その手は空中で止まり、力なく下ろされた。

まだ早い。今そんなことをすれば、彼女を怯えさせてしまうだけだ。

白石凛はどうにか呼吸を整え、申し訳なさそうに黒木蓮を見た。

「ごめんなさい、みっともないところを見せてしまって」

黒木蓮は静かに首を横に振った。「気にするな」

彼は手元の紙袋からホットミルクを取り出し、白石凛に差し出し...

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