第18章 不本意な妥協

嶋村良三は情報源を突き止められずにいたが、株価暴落のニュースは瞬く間に街中へ広まっていた。

病床にありながらも、西園寺昴は気力を振り絞って社務を執らねばならない。

「どの新聞社も情報源は匿名だの一点張りです。記事の差し止めにも応じようとしません」

「株価はすでに底値を割りました」

嶋村良三は戦々恐々として報告する。

「広報部の無能どもが」

西園寺昴は仏頂面でニュースに目を通した。

【サイオンジ・グループ社長に離婚疑惑、『夜灯華』シリーズの売れ行き低迷】

『夜灯華』のインスピレーションは、彼ら二人の愛の物語から得られたものだ。

世紀の結婚式と呼ばれたあの日、西園寺昴と白石凛の...

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