第192章 何を演じるのか

西園寺昴が部屋に戻るや否や、後を追うようにして成田ミンが救急箱を抱えて入ってきた。

西園寺昴の体中に刻まれた傷跡を目にし、成田ミンの瞳には隠しきれない心痛の色が浮かぶ。

「お義父様ったら、なんて酷いことを……。さあ、母さんが薬を塗ってあげるわ」

鞭で打たれたばかりの傷口からは、今もじわりと鮮血が滲んでいる。

だが西園寺昴は気にする素振りも見せず、冷淡に拒絶した。

「必要ない。大したことじゃない」

西園寺昴の頑なな態度に、成田ミンは痛ましげに諭す。

「昴、お爺様と張り合っても意味がないわ。今は地位を固めることが最優先よ。たかが結婚式のやり直しじゃないの」

成田ミンはそう言いなが...

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