第195章 忍耐の限界

翌日。

黒木蓮が本家に戻ると、真っ先に目に飛び込んできたのは、満面の笑みを浮かべた祖母の姿だった。

そして、その傍らには玉島久枝が座っている。

玉島久枝の姿を認めた瞬間、黒木蓮は反射的に眉をひそめた。

リビングには楽しげな笑い声が響いているが、黒木蓮の耳にはそれが酷く不快な雑音として届く。

彼は玉島久枝を好ましく思っていない。

ただ玉島秋子の顔を立てて、これまで礼儀正しく振る舞ってきたに過ぎなかった。

黒木蓮の帰宅に気づいた玉島久枝は、馴れ馴れしい口調で彼に声をかけた。

「蓮お兄様、お帰りなさい」

玉島久枝の声に反応し、祖母の視線も彼に向けられる。

「蓮、こっちへ座りなさ...

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