第216章 立派な母親とは言えない

指先から伝わる温もりに、玉島秋子の心が一瞬揺らいだ。彼女は思わず視線を上げ、白石凛の整った美しい顔立ちに目を奪われる。特にその目元は、記憶の中の「あの人」にどこか似ていて……。

「凛、あなたは……」

玉島秋子の胸に、衝撃が走る。

なぜ突然、こんな感覚に襲われるのだろう。

白石凛は玉島秋子の複雑な眼差しを受け止め、気づかれないように眉をひそめた。その視線はまるで、自分を通して他の誰かを見ているかのようだった。

「玉島先生?」

「……ごめんなさい、少し酔いが回ったみたい。大丈夫よ、心配しないで」

玉島秋子はハッと我に返り、喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。すぐさま普段の端麗で優雅...

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