第228章 反転

「今夜の主役だからこそ、こうして息抜きの機会が必要なんだよ。四六時中気を張っていたら、身が持たないからね」

竜本進介は微笑み、新鮮な夜気を胸いっぱいに吸い込むと、手すりに軽く寄りかかりながらグラスのワインを口に含んだ。

その姿は、完全にリラックスしていた。

なぜだか分からないが、白石凛のそばにいると、妙に落ち着くのだ。仮面を被って偽り続ける必要のある他の連中の前とは違って。

それはとても新鮮な感覚だった。

白石凛は意外そうに眉を上げ、手元のグラスを揺らしながら笑みをこぼした。

「さっきのステージ上での余裕たっぷりな姿を見て、てっきりこういう場には慣れっこなのかと思っていました。ま...

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