第230章 随分と彼に肩入れするのね

利害の天秤、だろうか。

白石凛の長い睫毛が微かに震えた。

彼女の脳裏に、先ほどバルコニーで竜本進介に向けられた眼差しが蘇る。彼は彼女の瞳をじっと覗き込み、今夜ここで会ったことを誰にも口外しないよう、強く釘を刺したのだ。

あるいは、竜本進介という男は、その表面的な印象ほど単純な人間ではないのかもしれない。

だが少なくとも現時点では、彼が自分に危害を加えたという事実はない。

人は行動で判断すべきであり、その内心まで憶測で断罪すべきではない。

自分の中に一本の物差しを持ち、それに基づいて判断すればいいだけの話だ。

白石凛は顔を上げ、黒木蓮を見つめた。

気のせいだろうか。黒木蓮が自分...

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