第265章 西園寺昴の地位が揺らぐ

玉島秋子は病台に横たわる玉島久枝を見つめながら、どこか上の空だった。

ふと、片手がそっと彼女の肩に置かれた。

振り返ると、少し青ざめた顔の玉島佳美が微笑みかけていた。

「お母さん、帰って少し休んで」

いつものように従順な娘の顔つきで、佳美は小声で促した。

玉島秋子は首を横に振る。

「佳美、あなたは先に叔母さんと帰って休みなさい」

「私は帰らないわ。ここで久枝についているから」

玉島夫人は頑なにそう言い張った。

彼女が引かないのを見て、玉島秋子はそれ以上説得するのを諦め、立ち上がって玉島佳美と共に病室を後にした。

「お母さん、帰って少し眠ってね」

玉島佳美が気遣うように言...

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