第266章 西園寺家に戻る

翌日の午前九時。

人通りが少なく、落ち着いた雰囲気のカフェで、西園寺翁と西園寺静は向かい合って座っていた。

「現在の西園寺家には必要なのだ」

西園寺翁がゆっくりと口を開く。

「俺は……」

「お前と相談しているわけではない」

静が拒絶の言葉を紡ぐよりも早く、西園寺翁は冷徹に言い放った。

「西園寺の家が没落していくのを、ただ黙って見過ごすつもりか」

明らかに、翁は焦りを感じていた。

彼の手にある杖が、苛立たしげに床をコツコツと叩く。

「文月家は……」

西園寺翁は静を鋭く見据え、言葉を続ける。

「文書山の体調は日に日に悪化している。もし近い将来、彼がこの世を去ったとして、柳...

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