第28章 彼はどこを触った

西園寺昴は冷淡な表情を浮かべ、彼女に触れていた手を無造作に引っ込めた。

「これ以上騒ぎを起こすようなら、即座にその腹の子を堕ろさせる。いいか、神田美優。俺の子を産んでくれる女など掃いて捨てるほどいるんだ。代わりはいくらでもいる」

男の口調は、背筋が凍るほど平静で、残酷だった。

「俺の妻は白石凛ただ一人だ。死ぬまで、それは変わらない」

神田美優の顔色がさっと青ざめる。

「昴お兄様、そんなつもりじゃ……」

彼女の弁明に向けられたのは、男の冷たい背中だけだった。

神田美優は病室のベッドに力なく背を預け、その瞳には底知れぬ冷ややかさが宿っていた。

白石凛を愛しているから何だというの?...

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