第291章 私を探しているのか?

「かしこまりました。お呼び出しの放送をいたしますので、お客様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」

空港のスタッフが尋ねた。

「黒木蓮です!」

「俺の名前は黒木蓮です!」

黒木蓮は、少しのミスも許されないとばかりに、自身の名を必死に繰り返した。

空港のロビー。

ピンポーン、とアナウンスのチャイムが鳴り響く。

『白石凛様、白石凛様。お連れ様の黒木蓮様がお探しです。この放送をお聞きになりましたら、エレベーター横のインフォメーションカウンターまで……』

放送は数回繰り返されたが、応じる者は誰もいなかった。

黒木蓮が顔を上げて空港の電光掲示板を見つめると、帝都行きの便はとうの昔...

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