第42章 負けるのが怖いからか

白石凛はシンプルな白いシャツに黒のパンツという装いで、艶やかな長髪を無造作にバレッタで留めているだけだった。

洗練されたメイクと非凡なセンスを競い合うデザイナーたちの中で、ノーメイクの彼女は異質な存在感を放っていた。

彼女が立ち上がった瞬間、周囲からは既にひそひそ話が漏れ始めていた。

「あの子、どこの誰? ずいぶん貧相な格好ね」

「五十嵐さんには敵わないでしょ。黒木社長以外の票は確実だし。黒木社長って選球眼が厳しいから、こういう場だと辛口コメントだけで投票しないことも多いって聞くし、あの子に勝ち目はないわ」

「そりゃそうよ。誰が五十嵐家の顔に泥を塗れるっていうの? バックについてる...

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