第46章 なら、なぜ緊張する

白石凛は唇を噛みしめ、羞恥と苛立ちに身を震わせた。

どうしてあんな真似をしてしまったのだろう?

黒木蓮と再会してからというもの、彼の前ではいつも失態ばかり晒している気がする。

「すみません、考え事をしていて……すぐに降ります」

「白石凛」

黒木蓮はいぶかしげな表情で彼女を見つめた。

「俺はそんなに怖いか?」

「いいえ、黒木蓮……」

「違うなら、どうしてそんなに緊張している?」

白石凛は言葉に詰まった。傍らにいた相井新一は、思わず吹き出しそうになるのを堪えている。

まさか白石さんともあろう人が、黒木社長の前では自分たち平社員と変わらない反応を見せるとは意外だった。

L・S...

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