第49章 お前にそれを言う資格があるのか

白石凛は電話を切ると、視界が断続的に暗転し、もはや立っていることさえできずに道端へと崩れ落ちた。

ピッ、ピッ、ピッ……

電子機器の規則的な音が、彼女の理性をわずかに呼び戻す。

白石凛が目を開けて顔を向けると、ベッドの脇に座る黒木蓮の姿があった。

また、彼が助けてくれたのか。

白石凛の瞳の奥に、微かな悲哀が滲む。

今の彼女は、まるで結婚という名の無数の蔦(つた)に絡め取られているようだ。どうあがいても束縛から逃れられず、もがけばもがくほど、自分自身を傷つけてしまう。

ふと目の前が暗くなった。ベッドの脇に座っていた男が、突然その手で彼女の目を覆ったのだ。

男の掌は乾燥していて、温...

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