第66章 彼は西園寺昴の兄

白石凛がホテルに到着すると、アンナは既に迎えに来ていた。

昨晩はちょうど不在だったのだが、事の顛末を聞き終えるや否や、アンナは怒り狂って西園寺昴の元へ怒鳴り込みに行こうとした。幸い、白石凛がそれを引き止めた。

「アンナ、もういいの」

「彼にはもう離婚を切り出したわ。もしかしたら、同意するかもしれない」

「違うわ、凛。どうしてこの期に及んで、まだあんなクズを信じるの? 良心なんて欠片でもあるなら、あんたを無理やり抱くなんてことできるわけないじゃない! 畜生にも劣る野郎だわ!」

「分かってる。彼が同意しようがしまいが、金安弁護士に離婚手続きを進めてもらうことに変わりはないわ。離婚届と協...

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