第98章 西園寺昴、白石凛の妊娠を知る

雪代梨乃が立ち去ると、入れ替わるようにして嶋村良三が入ってきた。彼の視線はすぐに、西園寺昴の目の前に置かれた包装の美しい箱へと注がれた。

「西園寺社長、あの雪代という女……以前はあの大坊ちゃん(御曹司)と懇意にしていましたし、元婚約者でもあります。このタイミングで社長に擦り寄ってくるのは、何か裏があるのでは?」

西園寺昴はテーブルを指先でトントンと、不規則なリズムで叩いている。

「そんなことは百も承知だ」

「あいつを監視しておけ」

「かしこまりました、西園寺社長」

……

西園寺昴は別荘に戻ると、持ち帰ったそのプレゼントを無造作に放り投げようとした。しかし、手が滑ったのかギフトボ...

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