第13章 自ら両目を突くよう勧める

彼は言葉を切り、彼女の腕の中にいる子供へ視線を走らせた。その眉間が、わずかに寄る。

「子供は……田中に頼んで、信頼できる世話係を用意させる」

「結構です」

綾瀬美月は即座に拒絶し、綾瀬陽を抱く腕に力を込めた。

「この子は私じゃないと駄目なんです。仕事に支障は来させません。私の手元で面倒を見ます」

桐島家に関わりのある人間に息子を預けるなど、彼女には耐え難いことだった。

桐島蓮は何か言いたげな素振りを見せたが、結局は冷淡に吐き捨てた。

「勝手にしろ。ただし、俺に迷惑だけはかけるな」

その時、オフィスのドアがノックされた。白石麻里奈が二つのコーヒーカップを載せたトレイを手に、満面...

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