第141章 綾瀬さんに謝りたい

その瞬間、親子三人は完全に固まった。

特にあの父親は、顔を強張らせ、眼鏡の奥の瞳を限界まで見開いて、信じられないという表情を浮かべている。

セキュリティカード?

なぜ彼女が佐京教授の工房のカードを持っている?

あれは極めて親しい弟子か、特別な関係者しか持てないはずのものではなかったか?

綾瀬美月は背中に突き刺さる数本の灼熱の視線など意に介さず、カードをかざしてドアを押し開け、中へ入ろうとした。

「待て!」

父親が我に返り、猛然と詰め寄った。焦りと、微かな横暴さが入り混じった口調だ。

「どうしてカードを持ってるんだ? あんた何者だ? 予約してるのは我々だぞ! 順番を守れ!」

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