第179章 俺、桐島蓮の息子に指図はさせない

翌朝。綾瀬美月はいつものように車を走らせ、『初音』スタジオが入るビルの下へと到着した。

車のドアを開けた瞬間、有無を言わせぬ威圧感を纏った人影が、彼女の前に立ちはだかった――柴門温樹だ。

昨夜の電話での取り乱した様子とは打って変わり、今の柴門温樹は自信を取り戻しているようだった。

高級スーツに身を包み、髪も一糸乱れぬようセットされている。その顔には傲慢さと、施しを与えるかのような優越感が混在しており、綾瀬美月を完全に袋の鼠だと確信している様子だ。

「綾瀬さん、おはようございます」

柴門温樹はねっとりとした口調で言った。隠そうともしない侮蔑の色が滲む。

「昨夜はよく眠れなかったよう...

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