第188章 彼を舐める

腰に回された彼の手が、ゆっくりと這い上がってくる。指の腹にある薄いタコが、頼りないほど薄い生地越しに背中の滑らかな肌を摩り、その軌跡に沿って細やかな戦慄がさざ波のように広がっていく。綾瀬美月は堪えきれず、甘く頼りない声を漏らした。その吐息は、氷室龍一の耳には何よりも強烈な催淫剤として響く。

彼の仕草には、拒絶を許さない忍耐と誘惑が満ちていた。その修長な指が上着の第一ボタンを探り当て、器用に弾く。微かに冷ややかな空気が肌に触れ、綾瀬美月は反射的に身を縮めたが、鋼のような腕が彼女を逃がさないと言わんばかりに強く抱きすくめた。

「怖がることはない……」

彼は彼女の唇を食むように低く囁く。その...

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