第216章 洋上にて

彼がリモコンのボタンを軽く押すと、静寂な夜に溶け込むように、厳かで優しいクリスマスキャロルが流れ始めた。

潮風、満天の星、そして流れる旋律。

隔絶されたこの小さな空間には、互いの鼓動と吐息だけが満ちている。

彼は頭を垂れ、彼女の唇に残る雫のようなワインを啄むと、そのまま深く唇を重ねた。

愛おしさと、燃えるような情愛を込めて。

口づけは次第に熱を帯び、深くなっていく。彼の掌が彼女の背を撫で上げる。薄い布越しでさえ、その肌の火照りが伝わってくるようだ。綾瀬美月はそれに応えるように、彼の首に腕を絡ませた。

いつの間にか衣類は滑り落ち、露わになった肌を冷たい夜風が撫でる。微かな戦慄が走っ...

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