第225章 白石紀香が狂った

綾瀬美月は、その知らせに少なからず意外な感を抱いた。

桐島蓮が南太平洋で「不慮の事故」に遭い、一時行方不明になった件。後に発見されたとはいえ、精神崩壊して廃人同然だという噂は、すでに上流階級の社交界を駆け巡っている。その影響で桐島ホールディングスの株価は暴落の一途を辿り、まさに風前の灯火だ。

そんな状況下で、桐島家が宴を催す余裕などあるのだろうか?

招待状の文言は儀礼的で丁寧極まりないものだった。各界からの長年の支援に対する感謝、といったお決まりの美辞麗句が並んでいる。

だが、綾瀬美月は少し考えを巡らせただけで、その裏にある真意を看破した。

桐島源蔵は、この宴を通じて「桐島家は依然...

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