第231章 癒えない傷み

少し離れた場所に停まる黒塗りのセダンの傍らで、橘奏太が車のドアに寄りかかっていた。

彼は前屈みになり、片手で胃のあたりを強く押さえつけている。顔面は蒼白で、額には脂汗が滲み、眉間には深い皺が刻まれていた。

まるで、耐え難い苦痛に喘いでいるかのようだ。

彼の傍に秘書の姿はなく、たった一人だった。

綾瀬美月は足を止めた。橘奏太? まさか、こんなところで?

それにあの様子は……ただ事ではない。

未読のまま放置されたクリスマスのメッセージ。そして今、苦痛に顔を歪めて一人佇む姿。美月の胸中で、疑念が確信へと変わっていく。

そういえば、前回会ったのも病院だったはずだ。一体、彼の身に何が起き...

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