第232章 歳は若くないようだ

綾瀬美月にとって、氷室龍一という存在がいかに重要か、彼女は痛いほど理解していたのだろう。

「私たちじゃないわ」綾瀬美月は言葉を濁した。「ある……友人のことなの。少し厄介な状況でね、だから詳しく聞いておきたくて」

神崎美咲は聡明な女性だ。綾瀬美月が多くを語りたがらないのを察し、それ以上深くは詮索しなかった。少し考えてから答える。

「その手の専門家には詳しくないから、実家に聞いてみるわ。そうね、今日の撮影はそれほどハードじゃないから、あと二時間もあれば終わるはず。もし急ぎじゃないなら、終わってから会って話さない? ちょうど息抜きに誰かと話したかったところなの」

綾瀬美月は時間を確認し、承...

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