第234章 やはり彼女か

企業の買収などまるで服を一着買うかのような、平然とした口調だった。

綾瀬美月は胸の奥が温かくなるのを感じたが、笑顔で首を横に振った。

「いいえ、結構よ。あなたにその力があるのは分かってるけど、今、無駄遣いはしたくないわ。芸能界の運営には興味ないし、余計な労力を割きたくないの。今回はあくまでブランディングの一環としての試みだから、プロジェクトベースの提携の方が合ってると思う。もしうまくいかなくても、すぐに撤退できるしね」

彼女には彼女なりの考えがある。何でもかんでも氷室龍一に頼るのではなく、自分の力で新たな領域を切り拓きたいのだ。

氷室龍一は彼女の意志が固いと見て、それ以上は食い下がら...

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