第267章 仮に決まる

神崎美咲の目がぱっと輝き、遠慮という言葉とは無縁の手つきで包装を破った。中から現れたのは、繊細な意匠が施されたアイリスのブローチだ。それを見た瞬間、彼女の顔がぱあっと華やぐ。

「わっ、かわいい! 美月お姉様、さすがセンスいいじゃん! ありがと!」

上機嫌で胸元に留めると、スマホのインカメラを起動して、あれこれ角度を変えながら映りを確かめる。

ひと通り注文を済ませ、他愛ない話を少し交わしたところで、綾瀬美月は先ほど宝飾店で白石紀香と鉢合わせしたこと、そしてどうやって挑発して彼女に大散財させたかを、ちょっとした笑い話として語って聞かせた。

話を聞き終えた神崎美咲は、腹を抱えて大笑いし、さ...

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