第269章 私を助けて

桐島蓮は、自分の結婚式をこれ以上みっともなく荒立てて、余計な注目を集めるつもりはなかった。

無表情のまま彼もまたグラスを取り上げ、白石麻里奈のいる方へと、形ばかりの乾杯を送るように軽く掲げる。それから一気に喉へと流し込んだ。

それでこの茶番は、強引に、しかしひとまず幕引き――そういう形になった。

ようやく岡林時子が、ゆっくりと口を開いた。

彼女は桐島蓮の腕に絡み、いかにも親密げな仕草のまま、みじめな姿の白石麻里奈を頭の先からつま先まで値踏みするように眺める。声には、一片の遠慮もない軽蔑と嘲りが滲んでいた。

「ええと……白石さん、だったかしら? お気持ちはありがたく頂いておくわ。でも...

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