第28章 三年前の男は橘奏太か

綾瀬美月はソファに深く腰掛け、手元の資料に視線を走らせていた。

ふと物音に気づいて顔を上げると、そこには鬼気迫る形相で立ち尽くす男の姿があった。心臓が早鐘を打ち、本能的な警戒心が瞬時に鎌首をもたげる。

「昨日、どこへ行っていた? 誰と会った?」

桐島蓮は一歩、また一歩と詰め寄ってくる。その声は氷の礫(つぶて)を含んだように冷たく、鋭かった。彼は手にしていたスマートフォンを、彼女の目の前のローテーブルに乱暴に叩きつけた。

画面に映し出された、艶めかしいアングルの数々の写真を目にし、綾瀬美月の心は鉛のように沈んだ。

これは、昨晩周藤稔と会ったあの隠れ家レストランだ!

まさか、盗撮され...

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