第285章 岡林時子はなんと処女だった

 今の岡林時子のみっともない姿を前にすると、信原直人の胸の内には、いたぶられるような愛しさと、どうしようもない歪んだ満足感が同時に湧き上がっていた。――ほら見ろ、時子。おまえは桐島蓮を選んだ。その結果がこれだ。今さら後悔しても遅いんだよ。

「時子、桐島蓮なんてクソ野郎、おまえには全然釣り合わねえよ!」

 信原直人は、憤りを隠そうともしない声音で続ける。

「アイツが何様だってんだ? 桐島の家の看板がなきゃ、ただの凡人だろ。あとな、綾瀬美月。前科持ちの女が、なんでおまえと張り合えるんだよ?」

 その一言一言が、岡林時子の胸の奥、いちばん柔らかな場所にすうっと染み込んでいく。

 彼女は思...

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