第286章 俺と一緒に来いよ

「あっ……」

 喉の奥から絞り出された悲鳴に、信原直人はびくりと身を固くした。てっきり目を覚ましたのだと思い、慌てて腰の動きを止め、恐る恐る彼女の顔をのぞき込む。

 だが、きつく閉じられたそのまぶたから、つうっと涙がこぼれ落ちるだけで、彼女は目を開けない。代わりに、しがみつく腕の力を強めた。

「蓮……蓮……!」

 かすれた声で繰り返し呼ばれた名は、彼のものではない。

 それでも信原直人の胸に、妙な安堵と、それを上回る嫉妬と興奮が同時に込み上げてくる。彼はゆっくりと視線を落とした。

 二人が繋がっている場所から、鮮烈な赤がじわり、と白いシーツを染めていく。

 その色に、彼はくつく...

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