第291章 帰ってくるまで待っていて

焼け付くような強い酒が喉を焼き、同時に彼の心に残された最後の闘志に火をつけた。

そう、彼にもう後退する道は残されていない。

氷室龍一を引きずり下ろすか、さもなくば死かだ。

「セルマン側の人間と接触しよう。だが、そっちも約束を忘れるなよ、デイヴィ。もし俺を出し抜こうとしたら……」

「我々は一蓮托生だ」

デイヴィがその言葉を遮った。

「船が沈めば、誰も生き残れはしない」

二人の視線が交錯する。そこには一抹の信頼もなく、あるのは一時的な利益のための結託だけだった。

三日後、氷室龍一の元にセルマンからの緊急連絡が入った。

氷室龍一は今、全く内容の異なる二つの報告書と向き合っていた。...

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