第303章 離れる

西山別荘。

綾瀬美月は氷室龍一の好物であるステーキを焼き、綾瀬陽も手伝ってサラダを和えた。

ダイニングテーブルは温かい雰囲気に包まれていたが、綾瀬美月は氷室龍一が何か考え事をしているのを感じ取っていた。

「パパ、テストプロジェクトの最初のエリアが決まったよ!」綾瀬陽が興奮気味に報告する。「財団の人が、来週の月曜にはカメラとセンサーの設置を始められるって!」

「それはいい」氷室龍一は微笑みながら綾瀬陽の頭を撫でた。「覚えておきなさい。公益プロジェクトで最も重要なのは、持続可能性と再現性だ。焦って手を広げず、まずは一つのエリアをしっかりと仕上げて経験を積むんだ」

「分かってる!」綾瀬陽...

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