第306章 暗殺失敗

「ココ、もう仕事終わった?」

「はい、今ちょうど上がったところです。綾瀬さん」

「じゃあ、うちに一度来てくれる? 資料を直接渡したいの」綾瀬美月の声には、はっきりと疲れが滲んでいた。「デイヴィの暴露ネタの追加の裏付け。ネットで送るのは、ちょっとまずくて」

西池千夏は時間を確認する。「分かりました。すぐ向かいます。何か持っていきましょうか?」

「いいえ。気をつけて来て」

通話を切ると、西池千夏は駐車場へ向かった。

彼女は気づかなかった。

ビルを出た時から、黒いセダンが一定の距離を保ったまま、ゆっくりと後ろにつけていたことに。

運転しているのは信原直人の手下――鯛谷秀和。助手席に...

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