第317章 夢境

都心の総合病院――特別個室。

桐島蓮は薬の作用で深く眠っているはずなのに、眉間には深い皺が刻まれたまま、額には細かな冷汗がにじんでいた。

悪夢が、潮のように押し寄せる。

夢の中で、桐島蓮は幽霊みたいに宙へ浮かび、眼下の光景を見下ろしていた。

パーティー会場の隅。綾瀬美月がひとりで座っている。

白石麻里奈がシャンパンを手に、数人の令嬢を引き連れて近づいてきた。美月の前で足を止め、甘ったるい声を絡める。

「美月お姉様、どうしておひとりなんですか? 蓮お兄様は?」

綾瀬美月は引きつった笑みを作った。

「向こうで、仕事の話をしてるの」

「ですよねえ」白石麻里奈は同情したふりで、わざ...

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