第323章 プロポーズ

午前二時半、氷室龍一はついに外出を決意した。

車に乗り込んでも、すぐにはエンジンをかけず、再びあのベルベットの小箱を開いた。

薄暗い車内の灯りを浴びて、ピンクダイヤモンドは優しい輝きを放っている。だが今の彼にとって、その光は躊躇いを抱かせるものだった。

本当に、今プロポーズするべきなのか?

綾瀬美月は真実を知ったばかりだ。彼女は許し、信じ続けることを選んでくれたが、心の傷が癒えるには時間がかかる。

これが埋め合わせや謝罪、あるいは関係修復を焦るための策略だとは、決して思われたくなかった。

彼が望むのは、機が熟し、互いの気持ちが完全に寄り添い、二人が心から準備できた時に交わす、自然...

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