第332章 もうとっくに父子じゃない

三日後の深夜。一台の黒いワンボックスカーが、A市東区警察署の裏路地に音もなく停車した。

マスク姿の黒ずくめの男二人が、車内から麻袋に包まれた人型の物体を引きずり下ろし、警察署の裏口にあるゴミ箱の脇へと無造作に投げ捨てる。

麻袋の中身は、まだ微かに蠢いていた。

男の一人が歩み寄り、ナイフで袋の口を裂いた。中から現れたのは、蒼白に歪んだ桐島元紀の顔だった。

口は粘着テープで塞がれ、恐怖のあまり目を見開いている。下半身の衣服は、既に赤黒い血でべっとりと染まりきっていた。

「この感覚を覚えておけ」

男は身を屈め、元紀の耳元で低く囁いた。

「すべては、お前自身が犯した罪の報いだ」

そう...

ログインして続きを読む