第348章 涙はしょっぱい

綾瀬美月は多忙を極めていた。彼女の役割は単なる花嫁にとどまらない。このような盛大な集まりは、絶好の社交の場でもあるのだ。

だからこそ、名残惜しさはありつつも、彼女はすぐに感情を切り替え、他の友人たちの歓待へと向かっていった。

綾瀬有美は少し離れたテラスの端に立ち、グラスに半分残ったフルーツジュースを握りしめながら、喧騒に包まれた人だかりの向こうを見つめていた。その視線は、何人かの年配者たちと笑顔で言葉を交わす姉、綾瀬美月にしっかりと注がれている。

姉の顔に浮かぶ心からの幸せそうな笑顔は、身につけているどんな宝石よりも眩しく輝いていた。

見つめているうちに、綾瀬有美の視界は次第に滲み、...

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