第350章 くたくたになった

背筋を伸ばして座り直した途端、綾瀬美月はもう動きたくなくなった。体内の硬いものが、今にも突き抜けてきそうで。

氷室龍一は根気よく教えながら、彼女の腰に手を添える。

「上下に動け。……俺が抱くときみたいに」

妙に新鮮だった。綾瀬美月が、セックスで主導権を握るのは初めてだ。

ふう、と息を吐き、腰を少し持ち上げて……ゆっくりと沈む。

「ん……」

自分で力加減を決められるぶん、きつさはあるが、耐えられない痛みではない。

何度か試すうちに、綾瀬美月は要領を掴んだ。自分がいちばん気持ちよくなれる高さが、なんとなく分かってくる。

持ち上げて、落とす。その繰り返し。しかも、わざとゆっくり。

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