第41章 妊娠した

男の声が、恐怖と拒絶で裏返る。

「白石さん……もう無理です! 本当に限界です! 桐島社長に怪しまれ始めています! この前のボートの件だって、あくまで事故に見せかけましたが……もしバレたら、お、俺の命が……! 頼みます、どうか見逃してください!」

白石の返答は、瞬時に氷点下まで下がり、鋭利な刃物のように鼓膜を突き刺した。

「見逃す? ふん、今さら怖気づいたわけ? あたしのベッドに這い上がってきた時は、後のことなんて考えてもいなかったくせに!」

一拍置いて、彼女の声に破滅的な狂気と脅迫の色が滲む。

「言っておくけど、もう足抜けなんてさせないわよ。……妊娠したの」

男が息を飲む音が聞こ...

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