第103章 口封じ

林谷由佳は慌てた様子で追いかけてきて、足早に髙野拓海の腕を掴んだ。次の瞬間には涙を滲ませた目で、星野芽衣を睨みつける。

「星野芽衣……もういい加減、仲をかき回すのやめてくれない?」

「拓海はただでさえ機嫌が悪いのに、奏太兄まで焚きつけて喧嘩させて。せっかくのパーティー、全部あなたが台無しにしたじゃない!」

一方的に罪をなすりつけ、まるで被害者ぶる言い草。

もともと底まで沈んでいた芽衣の心は、さらに冷え切った。

林谷由佳と無駄な言い争いをする気にもなれない。

それに、海野奏太が自分のために髙野拓海と殴り合いにでもなったら――怪我でもしたら、目も当てられない。

髙野拓海は元から危う...

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